【後援事業】『体系・新博物館学』全3巻出版プレシンポジウム第2回博物館はなぜ存在するのか?-「ところ」「もの」「ひと」の現実と対峙する-

開催日時:2025年7月13日(日)13:00~16:40(12:15開場)
会  場:明治大学駿河台キャンパスグローバルフロント・グローバルホール
主  催:これからの博物館を考える会
共  催:株式会社 雄山閣
後  援:公益財団法人日本博物館協会、全国大学博物館学講座協議会、全日本博物館学会、日本展示学会、日本ミュージアム・マネージメント学会
参 加 費:無料 *参加できない方にもレジュメ(PDF)無料配布
定  員:180名
申込方法:株式会社雄山閣申込サイトにてお申し込み
 *レジュメ(PDF)のみご希望のかたも申込サイトにてお申し込みください。
申し込みサイト:http://archaeologyweb1916.wixsite.com/museum2
申込締切:6月30日
 *定員(180 名)に達した場合は、その時点で受付終了いたします。
なお、レジュメのみ配布については、締め切りまで受け付けております。

【開催趣旨】
博物館の存在意義は、現在、大きな転換期を迎えている。国際的には 2022年にICOM の「博物館の定義」が改訂され、博物館は常に、時代や社会とともに変化・進展してきた。国内でも 2022 年に博物館法が一部改正され、根拠法や資料の扱い、さらに社会とのかかわりなどに新たな観点が加わり、博物館のあり方に大きな変化を求めるものとなっている。
博物館の役割が時代の要請に応じてますます多様なものとなりつつある中、社会と響きあう姿を創り上げていくためには、「博物館とは何か」を考えることをしていかなければ道筋を見出すことはできない。つまり、博物館の理論と実践の考究、すなわち博物館学という思考のもとでこそ、現在の社会に適った博物館のありようが導き出せるのではないだろうか。博物館学は博物館の羅針盤となるはずである。そのためには、博物館学という考究のあゆみや議論をふり返り、現在および将来の博物館、さらには社会に対してこの学がどのような役割を持ち得るのかの追究が必要と考える。
近年多発する大規模自然災害やコロナ禍の中において博物館は、不要不急の施設として取り上げられたりしている。しかし、そのコレクションは学術研究の基盤となるものであり、博物館は経済的・観光的観点においても貢献できる存在である。さらに博物館は、学びの拠点であることはもとより、心が病んだ時や傷ついた時、人々の拠り所としてなくてはならない存在でもある。
このような認識に基づき、本シンポジウムでは「博物館はなぜ存するのか?」を命題に掲げ、博物館の基本的要素である「ところ」「もの」「ひと」の立場から従来の博物館学各論を見直し、日本における博物館の存在意義や活動のあり方について改めて問いかけをしたい。

プログラム

【問題提起】博物館とは一体何か
博物館の基本的要素と機能 /「ところ」「もの」「ひと」の観点から改めて博物館学を問う
浜田弘明(桜美林大学 教授)

【問1】日本の博物館はどう計画・運営されているのか
博物館のミッションと建築の関係性 / 博物館を建築計画から問う
佐藤慎也(日本大学 教授)

【問2】博物館のコレクション管理はどのように変遷し、これからどう応えていくべきか 
博物館のコレクション管理と持続可能性 / 収蔵庫問題の本質を問う
金山喜昭(法政大学 名誉教授)

【問3】博物館は何をどう見せているのか
今日の社会に求められる展示・公開 /博物館をひらく観点から問う
駒見和夫(明治大学 教授)

【問4】博物館専門職の専門性とは何なのか
ガラパゴス化した日本の博物館専門職 / 英米館の職種細分化との対比から考える
瀧端真理子(追手門学院大学 教授)

【問5】市民は博物館とどう関わっていくのか 
博物館実践の多様性を描く / 鶴田博物館論から伊藤博物館論へ
栗山 究(法政大学・早稲田大学ほか 非常勤講師)

【討論】博物館がかかえる課題と博物館学
各発表者・内川隆志(國學院大學教授)・田中裕二(静岡文化芸術大学准教授)
ファシリテーター:浜田弘明